冬から春へと季節が移り変わる時期は、子供たちの心もどこかソワソワしがち。クラス替えへの不安や、新しい環境への戸惑いなど、言葉にできない「お悩み」を抱えている子も多いかもしれません。
そんな時、そっと寄り添ってくれるのが「本」の存在です。 学校の図書室、街の読書会、あるいは病院の小さな図書館……。そこには、現実の壁にぶつかった主人公たちが、本を通して自分自身を見つめ直し、一歩踏み出すヒントを見つける物語がたくさんあります。
各作品の紹介欄では、「対象年齢の目安」「ページ数」「ルビ(読みがな)の有無」といった【読書レベル】についても記載しています。お子さんの今の読書習慣に合わせて、ぴったりの一冊を見つける参考にしてみてくださいね。
今回は、読書感想文が苦手な子から、本が大好きな子まで、誰かの「居場所」になってくれるような温かい物語を5冊ご紹介します。
この記事で紹介する小説5選
読書感想文が終わらない!
あらすじ(ネタバレなし)
夏休み、小学校の図書館で出会ったのは、不思議で聡明な中学生の女の子「フミちゃん」。彼女はなんと、読書感想文のアドバイスをくれるというのです。しぶしぶ書き始めた子どもたちでしたが、フミちゃんの言葉に導かれるうち、心の中にあったモヤモヤも少しずつ形になっていき……。
作者/出版社
額賀澪/ポプラ社(ノベルズ・エクスプレス60)
シリーズ情報
シリーズ状況: 全1巻
読書レベル
| 項目 | 詳細 |
| 対象年齢の目安 | 小学校中学年~ |
| 総ページ数 | 約230ページ |
| 長編/短編 | 短編6編 |
| 一話あたりの目安 | 約40ページ |
| ルビの有無 | パラルビ(難しい漢字のみ) |
娘の感想
「タイトルがとても面白くて、どんな話??と気になりました」
「私もフミちゃんに会って話をしてみたいです。感想文の書き方も少し上達しそう…?」
親のおススメポイント
主人公のフミちゃんがとにかく聡明で、親子でファンになってしまいました!ポップで軽やかな文体ながら、読書感想文を通じて子供たちの悩みが「ほんの少し」ほどけていく過程がとても爽やかです。さらに嬉しいのが、巻末にフミちゃんによる「丁寧な感想文指導」がついていること!実際、娘もこのアドバイスを意識することで、感想が少しずつ具体的になってきました。感想文に悩む親子にとって、心強い一冊です。
図書だよりとひみつのノート
あらすじ(ネタバレなし)
小学6年生の陶子は、図書委員長として「誰もが読みたくなる図書だより」作りに奮闘中。そんな中、親友の様子が最近おかしく、ついに「交換日記をやめたい」と告げられてしまい……。
作者/出版社
赤羽じゅんこ/さ・え・ら書房
シリーズ情報
シリーズ状況:全1巻
読書レベル
| 項目 | 詳細 |
| 対象年齢の目安 | 小学校高学年~ |
| 総ページ数 | 約200ページ |
| 長編/短編 | 長編 |
| ルビの有無 | パラルビ(難しい漢字のみ) |
娘の感想
「自分も学級だよりを作っているので、フォントなどいろいろ種類があることが勉強になったし、ブックデザイナーという職業があるんだ!と思いました」
「本好きな主人公が自分とすごく似ていて嬉しくなりました」
親のおススメポイント
図書だよりを作る視点と、親友との関係修復という2つのストーリーが同時進行で描かれます。フォントやキャッチコピー、イラストのコツなど、実際の掲示物作りに役立つ情報もかかれており、学校で委員会などを頑張るお子さんにもおススメです。一度は離れても、お互いを尊重しながら成長し合う二人の友情に、読み終えた後は温かい気持ちになれます。長編ですがエピソードごとに細かく区切られているので、読書が苦手な子にも読みやすい一冊です。
読書会を魔女といっしょにやってみたら
あらすじ(ネタバレなし)
本が大好きな小学6年生の稀桜(きお)たちは、大人たちの真似をして自分たちで「読書会」を始めます。本を通じて仲間と本音でぶつかり合いながら、自称「魔女」の愛沙さんの協力のもと、さらに「一箱書店」を作ることに…。
作者/出版社
濱野京子/あかね書房
シリーズ情報
シリーズ状況: 全1巻
読書レベル
| 項目 | 詳細 |
| 対象年齢の目安 | 小学校高学年~ |
| 総ページ数 | 約200ページ |
| 長編/短編 | 長編 |
| ルビの有無 | パラルビ(難しい漢字のみ) |
娘の感想
「主人公の誰にでもはっきり言える性格が自分とは真逆なので、羨ましかったです笑」
「一箱書店にすごく興味がわきました!どんなものか一度見てみたいです」
親のおススメポイント
読書会から始まり、最終的には自分たちで「一箱書店」を立ち上げるために企画書まで作ってしまう子供たちの行動力に、親の私もエールを送りたくなりました。自主性や「何かを形にする楽しさ」を知ってほしい時に、ぴったりの成長ストーリーです。
病院図書館の青と空
あらすじ(ネタバレなし)
転校してすぐに入院することになった5年生の空花(そらは)。孤独な病室を抜け出し、病院の図書館で本を開くと、不思議な少女「アオ」に本の世界へと引き込まれてしまいます。本の中でだけ繋がれる、二人の不思議な交流が始まります。
作者/出版社
令丈ヒロ子/講談社
シリーズ情報
シリーズ状況: 全1巻
読書レベル
| 項目 | 詳細 |
| 対象年齢の目安 | 小学校高学年~ |
| 総ページ数 | 約220ページ |
| 長編/短編 | 長編 |
| ルビの有無 | パラルビ(難しい漢字のみ) |
娘の感想
「自分もストーリーに入りたい物語があるので、自分ももしそうなったらと、ワクワクしました」
「共通の本のことをなんでも話せる友達がいていいな~と思いました」
親のおススメポイント
入院生活という少し心細い日常の中に、本の世界という魔法が入り込むファンタジックな物語です。孤独を抱えた空花とアオが本の中で仲を深めていく過程は、読書好きなお子さんならきっと憧れてしまうでしょう。また作中には『赤毛のアン』や『小公女』といった名作が登場するので、「古典文学は少し難しそう」と敬遠していた子が名作に興味を持つきっかけにもなる、入り口の広い一冊です。
虹いろ図書館のへびおとこ
あらすじ(ネタバレなし)
顔にある大きなあざのせいで、陰で「へびおとこ」と呼ばれるイヌガミさんの働く図書館には、悩みをもち、居場所を求める子どもたちがやってきます。そんな子どもたちとの関わりと、イヌガミさんの司書としての成長が丁寧に描かれます。
作者/出版社
櫻井とりお/河出書房新社
シリーズ情報
シリーズ名: 虹いろ図書館
シリーズ状況: 全6巻(完結)
読書レベル
| 項目 | 詳細 |
| 対象年齢の目安 | 小学校高学年~ |
| 総ページ数 | 約250ページ |
| 長編/短編 | 長編 |
| ルビの有無 | パラルビ(難しい漢字のみ) |
娘の感想
「図書館の司書の仕事って簡単そうに思ってたけど、実はたくさんやることがあって大変なんだということにびっくりでした」
「あまり好きになれないキャラクターもいたけど、イヌガミさんと子どもたちや職場の人たちがどうなるのか気になって、あっという間に読んでしまいました」
親のおススメポイント
娘が図書の先生に勧められ夢中で読んでいた作品です。全6巻を通して、主人公イヌガミさんと図書館にくる子どもたちとの交流と、イヌガミさん自身の幼少期からの悩み、葛藤、成長が描かれます。一筋縄ではいかない様々な登場人物が出てくるので、彼らの気持ちやエピソードについて、「〇〇さんのことどう思った?」「ここ、どう感じた?」などと親子で話してみるのもおススメです。また作中でたくさんの名作が紹介されるので、「次に読む本」のガイドブックとしても優秀。司書のお仕事に興味があるお子さんにもぜひ手にとってほしい一冊です。
まとめ
気になる一冊は見つかったでしょうか。
今回ご紹介した5つの物語に共通しているのは、本はただ「読むもの」ではなく、誰かと繋がったり、今の自分を認めてあげたりするための「きっかけ」になるということです。
本が好きなお子さんはもちろん、本が苦手なお子さんも、図書室の扉を開くように、本を開くことで、昨日よりも少しだけ心が軽くなる体験が待っているはずです。
「どのキャラクターに共感した?」なんておしゃべりも、きっと素敵な時間になりますよ。


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